> 斬りの 6 基本とは
斬りの 6 基本とは
真剣刀法では 6 種類に分かれます。
刀の斬り方には、「引き斬り」、「押し斬り」、「押し引き」せずの斬り落とし、「たたっ斬り」、「当て斬り」、「突き」の 6 種があります。
「斬り方」というのもいまいち曖昧ですね……。
日本刀はよく「剃刀の切れ味と鉈の威力を併せ持っている」という事を言われます。
つまり、
剃刀=抵抗なく切れる。
鉈=自重で叩き割る。
力学的事実に基づいた、「斬る」という裏付けを完全なものにしておかねばならない。つまり、日本刀で「斬る」ということは、逆から力学的に吟味すると、「引き剥(は)がす」ということであり、切断する媒体にかかる圧力が鋭ければ鋭いほど、強ければ強いほど、刃(やいば)の粒子が結合して、切断媒体の分子を引き剥がし、これこそが日本刀の最高の極地となる。
引き斬り
寿司屋さんや魚屋さんが刺身を包丁で斬ゐときは「円形線」によゐ引き斬りにかなっており、刺身がまさしく立っていゐ。これこそ真剣斬りのコツであゐ。魚の料理であっても,肉は斬れゐが骨は斬れない。肉を斬らせて骨を斬ゐという日本刀実戦の教えは古流伝書に見る通りである。
押し斬り
e.g. 据え物切り
e.g. くねり打ち
たたっ斬り
たたっ斬り=叩切る、切りさいなむ
押し引き
斬る、という物理的な現象を成功させるには、
やり方は 1 つだけです。刃を当てて、動かす。
「押す」と「引く」、方向は 2 つありますけど、
日本刀は基本的に「引いて斬る」武器です。
もちろん、実際にものを斬ろうとするのであれば、
「当てる→引く」は 1 つの動作として完結します。
そのために、円(楕円)軌道で刀を振るのです。
「引く」という動作と共に、「押す」という動作が加わる。この「引く」の動作と共に「押す」の動作を行えば、刃の粒子が結合した先端では、圧力の増加が物理的に加えられることになり、圧力の単位あたりの面積は、最小限に小さくなり、「斬れる」という現象が起こるのである。
単位あたりの面積を極力小さくすれば、そこに懸(か)かる圧力は更に増大される。これを現実の武術の世界で述べるならば、重い刀で斬るか、あるいは先の尖(とが)った鋭利な刃物で斬った場合の方が斬れ味が良くなる。
ところが、日本刀にはこうした重さはない。重さがない代わりに、ただ侵入角を 30 度から 40 度に保って鋭くするだけではなく、これに「引く」あるいは「押す」の動作を加えて、「斬れ味」というものを見出したのである。これが刃に「反り」を持たせ、この反りが斬れ味を生み出したのである。
当て斬り
抜き付け、斬り込みざまに切っ先で当て斬ることで、切断ではありません。
突き
「扇打ち」と「掬打ち」と「叩く打つ」
如上の操作法は、やはり現今剣道の竹刀操作とは乖離。
日本刀は刃筋を糺(ただ)し、正確な折り目をつけて理通りに用いれば、必ずその理において斬れるように作られている。こうした理を無視して、自分勝手に腕力などの力で斬ろうとすると、日本刀は切断媒体を斬り付けただけで、「弾く」性質を持っている。これは侵入角度の間違いから起る。

